今回は「スラロームが下手な人の特徴3選」というテーマでお話していきます。
教習所の試験課題で1番苦手とする人が多いのがスラロームです。
実際に生徒さんに「今1番苦労している試験課題はなんですか?」と聞くとスラロームが1番よく分からないという人が多いですし、YouTubeのコミュニティでとったアンケートでも
このようにスラロームに苦手意識を持っている人が多いことが分かります。
しかしスラロームが苦手ということはバイクに乗る上で基本中の基本となる
- 傾ける
- 起こす
- 姿勢
- 目線
のどれかができていない可能性が非常に高くなるので、街中でスラロームのような激しい切り返しは行わないにしても最低限の技術として身につけておくべきだと思います。
なので今回はスラロームが下手な人の特徴とその対処法について解説していきたいと思います。
現在教習所に通っている方やスラロームが苦手だったという人はぜひ読んでいってください。
①目線が近い
1つ目は目線が近いです。
スラロームはパイロンに当たると1発で検定中止になることからパイロンに当たりたくないがために、自分が今から避ける目の前のパイロンを凝視する人が非常に多いです。
確かに目線を近くに持っていくことで目の前のパイロンに当たらないためのラインが確実に分かるので、目の前のパイロンに当たることはまずなくなると思いますが、スラロームは連続して5本のパイロンを避ける必要があります。
そうなると常時次のパイロンへとその都度目線を動かさないといけなくなるので、目の動きが遅れると同時に体の動きも遅れてしまってスラロームの後半でパイロンに接触したり、ラインが大幅にずれてしまうという結果になりがちです。
さらに先の状況をクリアするための
- 速度調節ができているのか
- 通る位置は正しいのか
- どれだけ傾ければ良いのか
という計算もできなくなるので、目線が近い状態でスラロームをするというのは賭けでやっているようなものなので、確実性があるとは言えません。
特に
スラロームの最初は上手くできるけど後半にかけてなぜかしんどくなるんですけど…
いう質問してこられる生徒さんの大半がこの目線の近さが原因になっています。
ではどれだけ先を見てスラロームを行うべきなのか、それは2本~3本先のパイロンです。
どこを見てスラロームを行うと良いというのは指導員によって少しずつ違いはあるのですが、僕が個人的にベストだと思うのは近すぎず遠すぎない2本~3本先のパイロンだと思います。
なぜ僕は2本~3本先のパイロンを見ることをオススメするのかと言うと、1本先のパイロンは日頃からジムカーナという競技をしているような人じゃない限りは速度に対して目の動きや体の動きが追いつかなくなる可能性が高くなるからです。
そして4本先やスラロームの出口ほどの遠さになってくると、よほどスラロームやそのバイクに慣れていない限りは、“今”自分がどのような速度でどのようなラインで通過してどれだけパイロンとの距離があるのかを認識しにくくなってしまう可能性があります。
なのでスラロームにおいては慣れないうちは無理に目線を遠すぎるとこまで持っていかない方が良いと個人的には思います。
ただ勘違いしてほしくないのが、2本先のパイロンを見なさいと言われたからと言って2本先のパイロンを見ることに執着するのではなく、常に目線を先に動かし続けることが2本先のパイロンを見るというアドバイスの本質です。
要は1点を注視するのではなく、近すぎず遠すぎないところを基準として自分が前に進むと同時にそのまま目線も先に送っていきましょうということです。
正直これは歩いているときや自転車に乗っているときに皆んなが自然とやっていることなので当たり前なことしか言ってないですが、恐怖心や緊張感から、考えてみれば当たり前やなということをできなくなってしまう人が多いので、スラロームが苦手な方はまずは目線を気にしてやってみてください。
②怖がりすぎ
2つ目は怖がりすぎです。
スラロームをクリアするためには他の試験課題では絶対にやらないようなバイクの傾け方とバンク角といってバイクを傾ける角度が必要になるため
傾けすぎて転けるかもしれない…怖い…
という恐怖心を強く抱いてしまう人が多いです。
実際にこの記事を観ている方の中にもスラロームで転けことがある方や転けている人を見たことがある方もいると思います。
ただスラロームにおいてバイクを傾けすぎて転けるというはまずあり得ません。
なぜなら教習所のバイクはバンパーがついているので、タイヤの限界を迎えて転倒してしまう前にバンパーが地面に当たってそれ以上傾けられないからです。
「いや、でも自分は転けたし転けてる人を見たことがある!」という人もいると思いますが、それは傾けすぎて転けたわけではなく、僕の経験では
- パイロンを踏んで転けた
- ブレーキをかけて転けた
- アクセルを回しすぎて転けた
- エンストして転けた
- 速度が遅すぎてバランスを崩して転けた
のどれかです。
この説を立証させるためにわざとスラロームで傾けすぎて転けてやろうと本気でバイクを傾けてスラロームをやったことがあるのですが、傾けすぎて転ける前に次の切り返しをしないといけないのとバンパーが地面に当たって跳ね返されるので、バンパー付きの教習車ではまず無理でした。
そして何よりもスラロームの規定タイムをクリアするためにバンパーが地面に当たるほど傾ける必要は一切ないですし、3秒台 4秒台を狙ったとしてもバンパーが地面に当たるほど傾ける必要はないです。
なのでスラロームにおいては傾けすぎて転けるかもしれないという心配は一切しなくて良いです。
実際にこの話をした上で何の技術的なアドバイスもなしに
絶対に転けへんからとりあえず死ぬ気でやってみましょう!
という励ましをするだけでスラロームの規定タイムをクリアできるようになる人がめちゃくちゃ多いです。
こんな精神論は指導でも何でもないですが、過剰な恐怖心を抱きすぎてはバイクを傾ける感覚を掴むことができないですし、状況に応じた傾け方をするというのは街中においても重要になるので、スラロームが怖くてできないという人はぜひ思い切ってやってみてください。
ただバンパーのついていない市販車はいくらでも傾けることができてしまうので、公道では思い切ってやらないように練習したいのであれば、ライディングスクールなどに参加するようにしましょう。
そしてもう1つ、ある程度バイクの運転に慣れていると錯覚してしまっている人が「ステップ擦ったwタイヤの端まで使ったw攻めすぎたわ卍」みたいなアピールをしているのをたまに見かけますが、バンク角の深さと運転の上手さは比例しません。
確かに思った通りにバイクを傾けられないというのも上手いとは言えないですが、必要以上にバイクを傾けてしまうのも下手な証拠です。
恥ずかしいライダー、危険なライダーにならないように手段と目的を履き違えないようにしましょう。
③運転姿勢
3つ目は運転姿勢です。
正直なところ教習所の規定タイムをクリアするだけであれば運転姿勢はそこまで重要ではありません。
実際にめちゃくちゃな運転姿勢でスラロームの規定タイムをクリアする生徒さんはちょくちょくいますし、立った状態でスラロームの規定タイムをクリアすることもぶっちゃけ余裕です。
ではなぜ教習所の指導員はスラロームにおいて運転姿勢が重要だという指導をするのかというと、整った運転姿勢の方がバイクを傾ける感覚を掴みやすいからです。
先ほどめちゃくちゃな運転姿勢でも立っていてもスラロームの規定タイムはクリアできると言いましたが、これはあくまでもバイクを傾ける感覚を掴めている人だけの話です。
例えば原付一種のAT車やMT車である程度のスポーツ走行をしたことのある人やロードバイクが趣味の人は体重移動で車体を傾けるという行為を日頃からやっているので、どのような姿勢でもある程度はバイクを傾けることができます。
ただ逆にいうとそれらの経験がない人はハンドルで曲がるという意識が強すぎてバイクが全然傾いていない、そもそも傾け方が分からないからハンドルで曲がるしかないという事態に陥ってしまいます。
そうなるとスラロームの規定タイムをクリアするために必要となる素早い切り返しができなくなってしまうので、まずは正しい運転姿勢でバイクを傾ける感覚を掴むことが重要になってきます。
正しい運転姿勢ついてはYouTubeで詳しく解説しているので、興味がある方はぜひそちらもご覧ください。
まとめ
以上がスラロームが下手な人の特徴3選でした。
あまり技術的な話ではなかったですが、この3つの特徴さえ解消すればとりあえずは規定タイムをクリアできるようになると思うので、スラロームが苦手な方はぜひ参考にしてみてください。
↓動画verはこちら↓
コメント