今回は「初心者が揃えるべき装備4選」というテーマでお話していきます。
バイク装備は種類が多すぎてよく分からんからとりあえず人気なものを選んでます!
という方、ちょっと待ってください。
確かに人気な商品は全体的にコストパフォーマンスが良い傾向にあります。
しかしバイクというのは自分にとって最適なアイテムを装備することで、何倍~何十倍も快適さが変わってくるものなので、全体的な評価よりも自分にとってどうなのかという点に重きを置いて選択すべきです。
なので今回はバイク装備を選ぶ際にチェックすべきポイントや、初心者さんが揃えるべき装備について解説していきたいと思います。
一部個人的におすすめの商品を紹介しますが、あくまでも参考程度にご活用いただけると幸いです。
①ヘルメット
1つ目はヘルメットです。
ヘルメットについては揃えるべきではなく公道では揃えないと運転できないので、選び方に重点を置いてお話していきます。
ただ機能性や使用者の用途など全てを加味して解説しだすとキリがないので、今回はヘルメットを選ぶ際に個人的に重要だと思うポイントを2つに絞らせていただきます。
1.規格
まず1つ目は規格です。
ヘルメットに関する規格というのは、PSC・SG・JIS・SNELL・SHARPなど、これら以外にもまだまだ存在しますが、どのメーカーがどの規格を取得しているかは安全性云々だけの話しだけではなく、各国の基準や各メーカーのブランディングなど様々な要素が絡み合っているので、〇〇規格が良いと断言することは困難です。
例えば日本では公道用ヘルメットとして販売する場合はPSC規格の取得が絶対条件となるのですが、これはあくまでも販売者に課せられる責任であり使用者がPSC規格を取得していないヘルメットを被っているからといって違反の対象になるわけではありません。
でもPSC規格を取得していないヘルメットって危険なんじゃないの?
と思った方もいるかもしれないですが、もちろん何の規格も取得していないような謎ヘルメットはただのオモチャなので絶対に選んではいけません。
ただあくまでもPSC規格は日本で公道用ヘルメットとして販売する際に必要な規格であることから、海外製のヘルメットなどPSC規格は取得していないけどPSC規格よりも安全性に関する基準が厳しいとされているSNELLやSHARPといった別の規格を取得しているヘルメットというのも多く存在します。
もしPSC規格を取得していないと危険というのであれば、海外のライダーは全員危険なヘルメットを被っていることになってしまいますからね。
ちなみに安全性に関する基準が厳しいとされているという表現をしましたが、例えば防御力が高いと言っても、硬いが故に頑丈なのか、柔軟性があり衝撃をいなせるから頑丈なのかなど、各規格によって長所としている部分は異なるので、こういった観点からもやはり〇〇規格が1番安全と言い切ることはできません。
さらにSHARP規格の衝撃テストによると6万円前後の超有名メーカーのヘルメットと、1万円前後のあまりメジャーではないヘルメットの安全性における評価が同等だったりと、値段や知名度だけで判断することも今や早計と言えます。
とここまでの話しを聞いて
結局どのヘルメットを選べば良いねん!逆によく分からんくなったわ!
と思った方は、PSC規格の有無を基準として選択するのが安パイかと思います。
何故ならPSC規格は日本で販売するための〜という説明をしましたが、もちろんPSC規格を取得するためには一定の安全性が確保されている必要がありますし、PSC規格を取得しているヘルメットのほとんどがSGやJISといった規格も合わせて取得しているからです。
またPSC規格は日本独自の規格ということもあり、所謂よく分からない偽物を掴まされるリスクも絶対にないとは言い切れないですが、まずないと言っても過言ではないかと思います。
もっと簡単に言うと、SHOEIかAraiのヘルメットを選んでおけばまず失敗することはないかと思います。
2.形
そして次に重要となるポイントが形です。
ヘルメットを選ぶ際はどうしてもデザインや機能性に目が行きがちですが、いくらデザインや機能性が自分の望むものであっても形が合わなければかなり後悔することになります。
これは実体験なのですが、バイクに乗り始めた頃 適正サイズのヘルメットを被っているのにも関わらず1時間もバイクに乗っていると激しい頭痛に襲われるという悩みがありました。
ヘルメットは頭を守るものやしこんなもんなんかなぁ
と思いつつもそのせいでバイクに乗るのが嫌になりそうだったので、なけなしのバイト代をはたいて別メーカーのものに買い換えたところ、一切頭痛がしなくなったんですよね。
どうやら僕の頭は日本人の平均よりも後頭部が出っ張っているらしく、比較的前後の幅が狭いとされているメーカーのヘルメットは適正サイズであっても形が合わなかったみたいです。
今はフィッティングサービスがあるのでこのような問題は少ないかもしれないですが、過度な締め付けにより頭部の血流が滞ってしまうと頭痛はもちろんのこと、集中力の低下や疲労といった事故に直結するような症状も発生するので、デザインや機能性だけでヘルメットを選択するのはおすすめしません。
②グローブ
2つ目はグローブです。
ここからは必須ではないものの、個人的に揃えた方が良いと思う装備についての解説になります。
街中を走行しているライダーを見ていると素手で運転している方もチラホラいるようですが、グローブは装備することで安全面はもちろんのこと、操作面でも大きなメリットがあるので初心者ほど揃えるべき装備だと思います。
例えば冬以外の季節では暑くなくてもバイクの排熱や体の力みから手汗をかくこともあるかと思いますが、素手の場合は濡れた手で硬いビンの蓋を開けるのが難しいのと同じように、手のひらとハンドルのグリップ力が低下して無駄に力んだりハンドルを握り込んでしまう原因になります。
またバイクの振動がモロに伝わるので、腕全体の疲労感にも繋がってしまいます。
しかしバイク用のグローブであれば、ハンドルを握る部分に滑り止め加工がされていたり振動を軽減する機能が備わっているものもあるので、快適にバイクを楽しみたいのであれば必須アイテムと言っても過言ではありません。
ただ注意していただきたいのが 用途に合っていないものを選んでしまうと
むしろバイクに乗りにくくなりました(涙)
となってしまう可能性があります。
かなり大まかにグローブを区分すると、防御力に特化したものと操作性に特化したものがあります。
僕は職業上、細かい運転操作を行ったりグローブを付けたままペンや撮影機材を使うことが多いので、できるだけ素肌に近い状態で扱える薄手のグローブ、区分で言うと防御力はあまりなく操作性に特化したグローブが最適です。
ただ新人指導員のときに色々なグローブで色々な転け方をしてきましたが、やはり厚手でプロテクターが十分に付いている革製のグローブを装備していたときの方が出血を伴うような怪我率は圧倒的に低かったのも事実です。
もちろん両極端ではなくどちらの要素も半々に兼ね備えているグローブもあれば、防御力7:操作性3のような割合を強みとしているグローブなど選択肢は多岐にわたるので、ネットで検索してとりあえず人気なものを購入するのではなく、しっかりと自分の用途に合ったものを選択するようにしましょう。
③シューズ
3つ目はシューズです。
バイクは普通のスニーカーでも運転できないこともないので、バイク用ではないシューズを使用している人も多いかと思いますが、これもグローブと同じくかなりもったいないことをしていると言えます。
何故ならバイク用ではないシューズというのは、ギアチェンジやブレーキングなど バイクの操作に必ず必要となる動作を前提として作られていないからです。
僕たちが普段履くようなシューズというのは、踵で着地してつま先で地面を蹴って歩くという動作に特化した作り方をされています。
そもそも踵→つま先の順に地面に接地するような歩き方は実は正しい歩き方ではないという余談は置いておいて、要するにバイクの運転操作で行うようなあんなに激しく柔軟性の必要な足首の動作は想定されておらず、何十キロもの速度で転倒する可能性があることなんてこれっぽっちも考えられていません。
ただバイク用シューズは
- シフトペダルやブレーキペダルを操作すること
- 足首を大きく可動させること
- 足首でバイクを挟み込むこと
- ステップで踏ん張ること
- 転倒するとくるぶしを強打することなど
挙げ出すとキリがないくらいバイクの運転操作に特化した作り方をされています。
そのためバイク用シューズは1度履いてみれば分かると言えるほどの劇的な変化はないものの、何故多くのライダーが安くもないバイク用シューズをわざわざ履いているのかが理解できる程度には恩恵を受けられると思います。
しかしバイクに特化したものほど歩くという動作に制限がかかったり、THEバイク乗りという見た目にならざるを得ないことも事実で、ネットで検索するとどうしてもそのようなシューズが目について
バイク用シューズちょっと使いづらそうやしダサいしやめとこ!
と一蹴したくなるかもしれません。
そのような方は無理にガッチガチのバイク用シューズを選択する必要はなく、昨今は一見すると普通のスニーカーに見えるようなバイク用シューズも増えてきているので、自分なりに安全性・快適性・デザインなどの折衷案をとって色々な意味で満足のいく物を選ぶようにしましょう。
僕が普段履いている歩きやすくデザインもカジュアルなバイク用シューズのリンクも貼っておくので、ぜひ参考にしてみてください。
▼おすすめのバイク用シューズ
④胸部プロテクター
4つ目は胸部プロテクターです。
バイクの死亡事故と聞くと頭部の損傷によるものをイメージする方が多いかと思いますが、実際は頭部の損傷と同じくらい胸部の損傷が原因となっていることも多く、年によっては胸部の損傷が割合としては多いときまであります。
そのため安全性という点においては、ヘルメットのように強制ではないもののヘルメットと同じくらい胸部プロテクターを装備することは大切だと言えます。
選択肢としてはハードタイプとソフトタイプ、ジャケット内に含まれているものと服の上から装備するもの、セパレートタイプと1枚ものなど選択肢は多岐にわたりますが、個人的に重要視していただきたいのが装備するハードルです。
例えばセパレートタイプのプロテクターは上半身の可動域が制限されず操作性を損なわない反面、真ん中部分に隙間があるためそこにピンポイントに衝撃が加われば大きなダメージを受けることになります。
逆に1枚もののプロテクターは隙間がないため転倒した衝撃でズレない限りはしっかりと胸部を保護してくれる反面、ハンドル位置が遠いバイクだと腕を伸ばした際に胸や肩の可動域が制限されて使いづらさを覚えてしまう可能性があります。
もちろん安全性という点だけを見ると1枚ものの方が優れていると言えますが、使いづらさから装備するのを面倒に感じて買ったは良いもののタンスの肥やしになっているという人をたくさん見てきました。
とにかく安全性!ハードルなんて生温いこと言うな!
という主張をしている方もネット上ではチラホラ見かけますが、何が何でも安全性というのであれば通勤であってもレーシングスーツを着てエアバッグを着用するのが最善という極論になってしまいますからね。
何故レーシングスーツで通勤している人がいないのかと言うと、安全なのは分かっているけど色々な意味でハードルが高いからですよね。
なのでどのようなタイプの胸部プロテクターであっても、まずは自分にとって装備すること自体がハードルになってしまわないかという点をチェックすべきだと思います。
また胸部プロテクターを装備するとなるとどうしても見た目が損なわれてしまうので、そういった点においても装備するハードルというのは高くなってしまいますが、
カジュアルな見た目で安全性も高めたい!
という方にはインナーとして装備する胸部プロテクターをおすすめします。
言ってしまうとどのようなアウターでもバイクに乗ることができますし、若干膨れるものの大幅にカジュアルさが失われることもないので、僕もコースを走るようなとき以外はインナーとして装備する胸部プロテクターを使用しています。
こちらの商品もリンクを貼っておくので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
▼おすすめの胸部プロテクター
以上が「初心者が揃えるべき装備4選」でした。
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