今回は「段差を安定して乗り越える方法4選」というテーマでお話していきます。
コンビニやガソリンスタンドの入り口の段差が怖いという相談を受けることが多いですが、そのような方は無自覚のうちに段差を乗り越えるのが難しくなるような方法で進入してしまっている可能性が高いです。
そんな大袈裟な(笑) 慣れれば難なく段差を乗り越えられるようになるやろ！
と思った方も多いかもしれないですが、どれだけ慣れてもバイクを安定させる方法が身に付いていなければ、段差を乗り越える際の転倒などのリスクを抑えることはできません。
なので今回はただ何となく段差を乗り越えるのではなく、安定した段差の乗り越え方について解説していきたいと思います。
①両足をステップに乗せる
1つ目は両足をステップに乗せるです。
段差を乗り越える際に万が一バランスを崩したときのために、片足もしくは両足を出しながら進入している方も多いかと思いますが、足をステップから外した状態で段差に進入するというのは逆に転倒のリスクが高くなってしまいます。
理由は二つあって、まず1つ目はバランスが取りにくくなるからです。
低速でも安定してバイクを走らせるためには教習所でも教わるニーグリップが重要となりますが、当然ステップから足を離してしまうとニーグリップを十分に行うことはできません。
オフロードやサーキット走行に慣れているような方であればステップから足を離していても十分にバランスを取ることはできますが、そのような技術のない方が咄嗟に片足でバランスを取ろうとするのは得策とは言えません。
なので段差に対して恐怖心があったり低速時のバランスに自信がない人ほど、ステップから足を離さずにしっかりと膝やくるぶしでバイクをホールドする必要があります。
そして2つ目はリアブレーキが使えないからです。
足を出す場合はほとんどの人が左足を出すと思うので当てはまる方は少ないかもしれないですが、右足や両足を出していると咄嗟に減速停止が必要になった場合に、当然リアブレーキが使えずにフロントブレーキに頼らざるを得なくなってしまいます。
段差を乗り越える際にフロントブレーキを使うリスクについては後ほど詳しく解説させていただきますが、低速で曲がりながら段差を乗り越えている最中にフロントブレーキをガツンとかけてしまったときのことをイメージしてみてください。
恐ろしいですよね。
このような理由から段差を乗り越える際に足を出すという行為は一見安全なように思えますが、そもそもバランスを崩す原因になってしまっている可能性があります。
もちろん見通しが悪かったり停止しないといけない可能性が高いような場合は事前に足(左足)を出して備えるべきですが、どのような状況であっても怖いから足を出しておくというのは得策ではないと思います。
②アクセルを回す
2つ目はアクセルを回すです。
これは段差云々に限った話しではなく、低速走行時は速度が必要ないからとアクセルを回さずにクラッチ操作だけで速度調整を行う方が多いですが、自信がない方ほど低速走行時であってもアクセルは回しておくべきです。
そもそも段差の乗り越えを含めて何故、低速走行時に恐怖心を覚える方が多いのかと言うと、バランスを崩して転けそうになるからですよね。
では何故バランスを崩してしまうのか、それはバランスを保つための速度が出ていないからです。
極端な話、段差を乗り越える際に30km/hの速度が出ていれば衝撃が不愉快なだけでバランスを崩すかもしれないという心配はないと思います。
ただ歩道(路側帯)を横切る際はルール的にも実状的にもそのような速度で段差を乗り越えることができないため、自分がバランスを崩さない程度に速度を上げたり下げたりする必要があります。
その際にクラッチだけで加速しようとしても加速の量が足りなかったり間に合わないことが原因で、バランスを修正できるほどの速度が出せずに転倒してしまうというパターンが、教習所の低速系課題である一本橋やクランクでも非常に多いです。
段差を乗り越えるとなると一本橋やクランクのような平坦な道よりもこのような現象が起こってしまう可能性が高いというのは明白ですよね。
そのため低速走行が苦手な方ほど、速度が必要ない場合であってもアクセルを回しておいていつでも十分な加速ができる状態を事前に作っておくことをおすすめします。
目安としては最低でも発進時と同等の回転数を維持しながらクラッチを繋ぐことで、加速不足やエンストのリスクを抑えることができると思います。
③視野を広く持つ
3つ目は視野を広く持つです。
安全運転のために視野を広く持つことは大切というのは誰もが理解していることだと思いますが、段差を乗り越える際の転倒リスクを減らすためにも視野を広く持つことは重要なポイントの一つと言えます。
何故なら視野が狭いと速度や角度など、段差への適正な進入の仕方が事前に計算できないからです。
例えば当然歩道に歩行者がいる場合は一時停止をして進路を譲る必要がありますが、歩行者の存在に気付くのが遅れると接触事故はもちろんのこと、急ブレーキによる単独事故のリスクも高くなってしまいます。
また段差に対してどのような速度・どのような角度で進入すべきなのかは随時変わってきますが、それらの計算が遅れると咄嗟の操作が必要になるため、なんてことのない段差であっても転倒のリスクが高くなってしまいます。
そのため段差に対して不安のある人ほど視野を広く持って、できるだけ早く状況を把握しておくことが大切です。
更に細かいことを言うと、僕が歩道に進入する際は歩道や段差だけではなくミラーで後続車との距離感や速度差も確認するようにしています。
本来歩道や路側帯を横切る場合は歩行者の有無に関わらず一時停止をする必要がありますが 実状は多くの後続車が
歩行者おらんしそのまま停まらず行くやろ！
と速度を下げずに近づいてくるので、追突事故を防ぐために臨機応変に対応する必要があります。
これらは全て視野が狭いと行えない危険予測なので、低速だからと油断せずに事前の確認を行うように心がけましょう。
④フロントブレーキを使わない
4つ目はフロントブレーキを使わないです。
状況によっては段差を乗り越えている最中にブレーキ操作による減速停止が必要な場合もありますが、その際にフロントブレーキを使って減速停止をするのはあまりおすすめしません。
何故ならフロントブレーキは想定以上に強くかかってしまう可能性が高いからです。
平坦な道であればフロントブレーキのかけ過ぎによってバランスを崩しても簡単にリカバリーすることはできますが、歩道を横切る際は段差+坂道がセットなので満足に足が着けずに転倒してしまう可能性も高くなります。
また歩道を横切る際のルール上 低速であることから、車体をあまり傾けずにハンドル操作メインで曲がることが多いですが、ハンドルを大きく動かしながらフロントブレーキを微調整するというのも初心者さんにとっては容易ではないと思います。
なので段差に限らず低速で曲がるというバイクがバランスを崩しやすいような状況での減速停止は、リアブレーキのみで事足り場合に限ってはフロントブレーキの使用は極力控えるようにしましょう。
とは言え万が一の際はどのような状況においてもフロントブレーキを強くかけないといけない場合もあるので、普段からリアブレーキとフロントブレーキの配分やブレーキをかけた際のバイクの挙動などを意識しながら運転することはおすすめします。
以上が「段差を安定して乗り越える方法4選」でした
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