今回は「カーブを曲がるのが下手な人の共通点」というテーマでお話していきます。
答えから言ってしまうと、カーブを曲がるのが下手な人の共通点とはトラクションの管理ができていないという点です。
というのを聞いて
トラクションってなに?トラクションってどうやって管理すんの?
難しそうやし読むのやめよ
と思った人は、そのままでは一生カーブを上手く曲がれないどころか、いずれ事故を起こすことになります。
逆に言えばトラクションの管理ができるようになれば、安全かつスムーズにカーブを曲がれるようになるのと、運転の幅がめちゃくちゃ広がるので、絶対に身につけるべきテクニックの1つです。
なので今回はトラクションとは何なのか、トラクションを管理するためにはどうすれば良いのかについて詳しく解説していきたいと思います。
ではまずはトラクションとは何なのか、例え話を交えながら解説していきます。
トラクションとは
ラクションとはタイヤが地面を蹴る力のことを指します。日本語に訳すと駆動力という意味になりますね。
このタイヤが地面を蹴る力が減少することをトラクション(駆動力)が抜けるという言い方をするのですが、カーブを安全かつスムーズに曲がるためにはこのトラクションを抜かないように走行することがかなり重要になります。
何故ならトラクションが抜けてしまうと、車体が不安定になったりタイヤが滑りやすい状態になってしまうからです。
なのでカーブではしっかりとトラクションをかけて走行することが大切になるのですが、トラクションを効率よくかけるためにはタイヤと地面との摩擦力を大きくしてやる必要があります。
ちょっと話が難しくなってきてよく分からないです、さようなら
という方が増えてきそうなので、ここらで身近にあるものを例に出してお話していきます。
人差し指をめちゃくちゃ軽く掌に乗せた状態でスッと擦ってみてください。何の抵抗もなく指を動かすことができると思います。
今度は逆に人差し指を思いっきり掌に押し付けてる状態でスッと擦ってみてください。先ほどよりも抵抗があって滑りにくいと思います。
今の例えでいうと指がタイヤで掌が地面になるのですが、いくら指がムキムキで擦る力(駆動力)があろうと、接している面積(摩擦)が少ないと力強く指で掌を擦ることはできません。
トラクションと摩擦力の関係はこういうことです。
またこの例え話をバイクの話に戻すと、トラクションや摩擦力を考えずに何となくカーブを曲がっている人というのは、なんの抵抗もなく人差し指を動かせたのと同じで、不安定かつタイヤが滑りやすい状態で車体を傾けたりアクセルを開けているということです。
さらにこれは公道ではあまり問題にはならないですが、トラクションが抜けていると素早く加速に移れなくなる原因にもなります。
逆にトラクションをかけられている人は、人差し指を思いっきり掌に押し付けて擦ったのと同じで、安定してる上に滑りにくい状態でコーナリングを行えているということです。
という理由から、カーブを曲がる際はタイヤと地面との摩擦力を大きくして、しっかりとトラクションをかけて走行することが重要になってきます。
トラクションのかけ方
ではここからはどのようにしてトラクションをかければ良いのかについて、タイヤと地面との摩擦力を大きくする方法と並行して解説していきます。
ただこれからお話する方法以外にも様々な方法や考え方が存在するので、あくまでも後輪タイヤのトラクション、摩擦力に重点を置いたいくつかの方法のうちの1つとして聞いていただければ幸いです。
1つ前の内容でもお話したように、トラクションとはタイヤが地面を蹴る力のことを指します。
なのでよりトラクションを強力にかけたい場合は、タイヤが地面を蹴る力を上げてやる必要があります。
少し言い方を変えると、後輪タイヤが回るパワーを上げてやる必要があるということです。
では後輪タイヤが回るパワーを上げるためにはどうすれば良いのか、その答えがアクセルを回すです。
アクセルを回す
アクセルを回すことでタイヤが地面を蹴る力が増すのと同時に、後輪タイヤが地面に押しつぶされる形になるので摩擦力も大きくなります。
逆にいうとアクセルを戻している状態というのはタイヤが地面を蹴る力が弱い上に、後輪タイヤにはバイクとライダーの重さしか乗っていないので、あまり地面に押し付けられていない摩擦力が小さい状態になってしまいます。
直線を走行しているのであればバイクとライダーの重さだけでも十分なのですが、カーブ中はできるだけグリップ力がある状態を維持しておきたいので、可能なのであればアクセルは回しておくべきです。
ただ注意してほしいのが、当然アクセルを急に回すとタイヤの限界を超えてスリップを起こしたり、回す量に応じて速度も上がることになるので、トラクションが重要と聞いたからと適当にアクセルを回すのは絶対にやめてください。
僕がこれだけアクセルを回しましょうという風にアドバイスできれば良いのですが、回し方や量については車種や路面の状況によって変わってくるので残念ながら一概には言えません。
とはいえ何の基準もないと安全に練習することすらできないので、1つのパターンとして助言をしておくと、カーブ中は一定の量のアクセルを回している状態でも曲がれるような速度で曲がるようにしてください。
具体的にはカーブ進入前にアクセルを戻しつつしっかりと減速をして、バイクの向きが変わったらアクセルを回していきましょう。
当然カーブの進入速度が速すぎると向きが変わってからもアクセルを回すことはできないので、安全面からもそうですが練習という観点からもカーブ進入前の減速は重要になります。
またアクセルを回さないといけないと聞くと大きく回すことをイメージする方も多いかもしれませんが、あくまでも今回の内容は一切トラクションを意識して走行していない人へ向けてのものになるので、そこまで強力にトラクションをかけようとする必要はないです。
アクセルを完全に戻している状態が0、全開の状態が10とすれば、1でもアクセルを回していればそれだけでもトラクションは十分かかります。
なので慣れないうちは慎重に探りながらアクセルの調節をしていって、トラクションがかかって車体が安定している状態というのを実感できるように少しずつ練習していきましょう。
アクセルの微調節が中々できないという方は、アクセルの回し方 握り方についての動画のリンクを貼っておくので、ぜひそちらをご覧ください。
ということでここまではトラクションのかけ方についてお話させていただいのですが、カーブを曲がるのが苦手という人はトラクションを積極的にかけることよりも、まずはカーブの最中にトラクションを抜かないことを意識するのが大切になります。
なので次はカーブの最中にやってはいけないトラクションが抜けてしまう行為について解説していきます。
トラクション抜け
冒頭でもお話したようにトラクションが抜けるというのは、タイヤが地面を蹴る力が減少することを指します。
そうなってしまうと車体が不安定になったりタイヤが滑りやすい状態になってしまうので、カーブの最中にトラクションが抜けるような行為は避けるべきです。
では何をしたらトラクションが抜けるのかというと、アクセルを戻したりクラッチを切るとトラクションが抜けてしまいます。
アクセルを回すとトラクションがかかる、アクセルを戻すとトラクションが抜ける、これは1つ前の内容で解説済みなので詳しい説明は省きますが、緊急時のような例外を除いてカーブ中にアクセルを戻したい場合は、急激に0の状態まで戻すのではなく少しずつ減らしていくイメージで操作しましょう。
何故なら急激にアクセルを戻してしまうとトラクションも同じように急激に抜けてしまうからです。
トラクションが抜けるにしても慎重に抜くのと急激に抜くの、どちらが安全なのかは明確ですよね。
なのでカーブの最中にアクセルを戻さなくても良いような状態でカーブに進入するのがベストですが、止むを得ない場合はアクセルの戻し方には注意してください。
そしてもう1つのカーブ中にクラッチを切る、については、低速でカーブを曲がるようなとき以外は絶対に避けてください。
何故ならバイクはクラッチを切るとエンジンの動力が後輪タイヤに伝わらなくなるからです。
後輪タイヤへの動力が遮断されるということは、タイヤを回そうとするパワーがなくなるので、タイヤが地面を蹴る力もなくなってしまいます。
後輪タイヤのトラクションが急激に抜けない程度のクラッチ操作(半クラ)ができるのであれば問題ないですが、完全にクラッチを切ってしまうとトラクションが抜ける上に、エンジンブレーキが利かなくなってギヤと速度によっては余計に速度が上がることになるので、1番車体が不安定な状態で車体を傾けないといけなくなります。こうやってお話しながら想像しただけでも怖いレベルで危険です。
これはカーブ中のギヤチェンジにも同じことが言えるので、ギヤの上げ下げはカーブ進入前とカーブを抜けてから行うようにしましょう。
バイクに乗りたての方は無意識のうちにこのような、トラクションが抜ける行為をしてしまっている可能性が非常に高いので、まずはトラクションを積極的にかけることよりも、トラクションを抜かないような走行を意識してみてください。
まとめ
以上が「カーブを曲がるのが下手な人の共通点」でした。
カーブを曲がるのが上手い人は絶対と言って良いほどこのトラクションを意識して走行しています。
全てのカーブで意識しないといけないわけではないですが、トラクションの基本的な管理については街中でも練習することはできるので、カーブを曲がるときは何となく曲がるのではなく、トラクションを意識して走行してみてください。
またトラクション、駆動力、摩擦力というのは様々な考え方や意見があるので、数ある中の1つの意見として捉えていただければ幸いです。
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