今回は「街乗りでもできる練習3選」というテーマでお話していきます。
バイクは街中では練習できないという意見がありますが、これは半分正解で半分間違いです。
確かにサーキットやジムカーナといった速さを求める競技を行うための技術を、直接的に身につけることは街中では難しいですが、バイク初心者という域から脱するための練習は十分に行うことができます。
バイク初心者から脱するための練習と聞くとショボく聞こえるかもしれませんが、バイクの運転が上手い人は総じて基本的な技術の練度がめちゃくちゃ高いので、基本的な技術の練習というのもバカにはできません。
そして正直なところバイク歴が長いだけで基本的な技術すら身についていないライダーというのはめちゃくちゃ多いので、バイクの運転が上手くなりたいのであれば街中であっても練習という意識は持つべきだと思います。
なので今回は街中では何をどのようにして練習すれば良いのかについて解説していきたいと思います。
①運転姿勢
1つ目は運転姿勢です。
バイクに乗るときの姿勢というのは日常的に使うことのない筋肉を動員した姿勢になることが多いので、中々しんどいと思います。
なので街中で前方の車両に何となく追従するようなときは、正しい運転姿勢というよりはとにかく自分が楽な姿勢で運転することが多いと思うのですが、何も考えずに運転できるような退屈なときこそ、必要がなくても正しい運転姿勢を取るべきです。
何故なら日頃から筋トレをしている人以外がバイクに乗るために必要な筋肉を鍛えるためには、バイクに乗りながら鍛えるしかないからです。
また筋肉の話かよ、何としても読者に筋トレさせたいだけやんこの脳筋
と思った方もいるかもしれませんが、おっしゃる通り何がなんでも皆さんに筋トレをさせたいだけです。
…嘘です。
どういう理屈かというと、例えばニーグリップをするためには太ももの内側にある内転筋という筋肉が必要になるのですが、内転筋はあまり日常的に使う筋肉ではないので、長時間ニーグリップをしないといけないようなシチュエーションで、すぐに疲れてしまって十分なニーグリップが行えないなんてことにもなり得ます。
よりわかりやすく数値化するとニーグリップをするための内転筋パワーが2必要だったとして、内転筋パワーがMAX4しかない人がニーグリップをするためには常に半分の力を発揮しないといけなくなるのに対して、内転筋パワーがMAX10ある人は全力の20%しか発揮しなくても良いのでより自然にニーグリップを行うことが可能になります。
なんか冗談みたいな話になってしまいましたが、これはニーグリップに限らず腕、腰、背中、足などすべてに共通して言えることです。
当然筋肉をつければバイクの運転が上手くなるわけでは決してないですが、上手くなるための1つの要素にはなります。
なので特に何も考えずに運転できるシチュエーションこそ、正しい運転姿勢が必要なくても敢えて正しい運転姿勢で乗ってバイクを上手く乗りこなすために必要な筋肉を鍛えていくべきです。
とはいえ正しい運転姿勢で運転し続けるのはよほど慣れていない限りは常に無理をしている状態になるので、できる範囲内でやっていくのがベストかと思います。
正しい運転姿勢についてはYouTubeで解説しているので、興味があれば観てみてください。
②コーナリング
コーナリングと聞くと
こんな感じのガチでコーナー攻めるで!みたいなのをイメージをする方が多いと思いますが、街中にあるめちゃくちゃ緩いカーブや交差点の右左折も立派なコーナリングの1つです。
しかし峠などのカーブが連続するような道ではコーナリングを意識してるけど、街中の緩いカーブや交差点の右左折は特に技術的なことは考えずとも曲がることができるので、何となく曲がってしまっているという方が多いのではないでしょうか。
確かに街中では様々な障害があるので自分のペースで走れないことから、コーナリングを意識したところで直接的に速く走るための技術が身につくわけではないです。
ただ周りの状況を把握しつつペースを合わせてコーナリングを行わないといけない街中だからこそ、アクセル、クラッチ、ブレーキの繊細な操作や目線、姿勢など様々な技術が必要になるので、街中でコーナリングを意識して行わないのは非常にもったいないです。
何度も言うようにバイクの運転が上手い人、コーナリングという観点でいうとカーブを安全かつスムーズに曲がれる人は、総じてこれらの基本的な技術の練度が高いです。
なので街中こそコーナリングを意識して練習すべきだと思います。
その中でも特に個人的に意識してほしいのが目線です。
よく右折時に中心点の内側に切れ込みすぎて曲がった先の対向車の邪魔をしたり、見通しの良いカーブなのにも関わらず1つのカーブの中で何回も曲がり直すような曲がり方をする人がいますが、これらの原因の大半が目線です。
目線が近かったりわき見をしていると自分が通るべき理想の走行ラインを探すことができないので、このような曲がり方をしてしまいます。
さらにカーブの先の状況が見えていないと走行ラインのみならず、速度、角度、姿勢を事前に計算することもできなくなるので非常に危険です。
どれだけ運転操作の技術が高くても目線が近いと安定したコーナリングを行うことはできないので、街中でも可能な状況であればしっかりと先を見て運転するクセをつけていきましょう。
③ブレーキング
3つ目はブレーキングです。
ブレーキングの練習と聞くとブレーキのかかり具合についての練習をイメージする方が多いかもしれないですが、僕が特に街中でブレーキングに関して意識すべきだと思うのは、ブレーキをかけたことによってバイクの動きがどう変化するのかというものです。
バイクの動きが〜という話をされると何か難しい話のように聞こえてしまいますが、単純に前輪ブレーキだけを強くかけるとバイクの前側についているフロントフォークというバネのようなものが沈んで、バイクの前側に体重がかかりますよレベルの話です。
ただブレーキングを行なったことによって、フロントフォークやリヤサスペンションといったバネがどのような動きをするのかというのは、単純なことなのですがしっかりと把握しておく必要があります。
何故ならバネの動きによって制動力やバイクの安定性が大きく変わってくるからです。
例えば前輪ブレーキだけを強くかけるとフロントフォークが沈んでバイクの前側に体重がかかることになるのですが、バイクの前側に体重がかかるということは後輪タイヤは通常時よりも若干浮いている状態になります。
実際には浮いているわけではないのですが、後輪タイヤと地面との接地面積が少なくなることには変わりないので、後輪ブレーキの利きが悪くなったりスリップの原因にもなってしまいます。
そのような動きを抑えるためには前輪ブレーキだけでも十分な場合であっても、後輪ブレーキも使って車体全体を沈めてやるとより安定した制動を行うことができます。
バイクの理想的な前後ブレーキの配分が前輪7割後輪3割と言われている理由がこれですね。
そしてブレーキングとは少し話がずれてしまいますが、コーナー進入時には後輪ブレーキを軽くかけっぱなしにしてリヤサスペンションを沈めたり、コーナー立ち上がりでは一気に前輪ブレーキを離すとフロントフォークが跳ねてしまうのでゆっくり離したりと、これらもブレーキ操作によるバイクの動きを把握していないとできない技になります。
なので前方の車両に追いついてブレーキをかけるときや、信号で停止する際は単なる減速停止としてブレーキを操作するのではなく、こういうブレーキのかけ方をしたらバイクがこう動いたなとか、サスペンションがこう動いたらいつもより安定した停止ができたなコーナリングがしやすいなというのを意識すべきだと思います。
まとめ
以上が「街乗りでもできる練習3選」でした。
今回の記事では具体的にこうしましょうという練習方法は、シチュエーションによって大きく変わってくるので明確にはお話していないですが、とにかく運転姿勢、コーナリング、ブレーキングをしっかり意識して行なってください。
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