今回は「いきなり大型二輪免許を取得するのは無謀なのか」というテーマでお話していきます。
教習所によっては普通自動二輪免許を持っていない人でもいきなり大型自動二輪免許の取得が可能となっています。
なので「どうせなら普通自動二輪免許をすっ飛ばして大型自動二輪免許を取ってしまうか」という人も多いですが、それと同時に「普通自動二輪の教習をすっ飛ばしても知識や技術的に大丈夫なのか…?」といった心配をされる方も少なくありません。
なので今回はいきなり大型自動二輪免許を取得することについてお話していきたいと思います。
いきなり大型免許は無謀?
結論から述べておくと、いきなり大型自動二輪免許を取得するのは無謀ではないです。
いきなり大型自動二輪免許を取得する際の不安として1番大きいのは「中型バイクにすら乗ったことないのに大丈夫かな?」というものだと思うのですが、その点については問題なしです。
なぜなら普通自動二輪免許を持っていない人が大型自動二輪の教習を受ける場合は教習時間が合計で31時間(自動車の免許もない場合は36時間)もあります。
僕の指導員としての経験ではこれだけ教習時間が長いので、2段階の半ばらへんまでには卒検を合格できるレベルまでに達する人が大半です。
そしてこれは教習所の方針によって多少の差はありますが、いきなり大型バイクで練習するのではなくて、中型バイクである程度練習してから大型バイクで練習する教習所が多いです。
なのでいきなり大型自動二輪免許を取得するのは難易度が高いと勘違いされる方が多いのですが、全然そんなことはありません。
当然全員が全員何の苦労もせずに教習をクリアできるというわけではないですが、自転車に乗ったことがなかったり、高齢じゃない限りは大半の方がストレートで合格されます。
ということからいきなり大型自動二輪免許を取得するのは無謀かと聞かれると、僕の答えはノーです。
ただいきなり大型自動二輪免許を取得するのはメリットもあればデメリットもあるので、当然向いている人と向いていない人がいることから全員にオススメできるわけではありません。
なので次はいきなり大型自動二輪免許を取得するメリットとデメリット、向いている人と向いていない人についてお話していきます。
メリット
1.大型バイクの練習ができる
1つ目は大型バイクの練習ができるです。
普通自動二輪免許を持っている人が大型自動二輪の教習を受ける場合は教習時間が12時間なのに対して、いきなり大型自動二輪免許を取得する場合は教習時間が31時間もあります。
先ほどもお話したように、普通自動二輪免許を持っていない人が大型自動二輪の教習を受ける場合は中型バイクから練習することもありますが、それを引いても20時間以上は大型バイクで練習することになります。
基本的な運転操作はMT車であれば大型でも中型でも同じですが、どれだけ中型バイクの運転に慣れていても大型バイクを上手く扱うためには大型バイクに乗る練習をしないと意味がないです。
特に取り回しやアクセル、ブレーキについては大型バイクの方がシビアなので、日頃中型バイクに乗っていても慣れるまでには時間を要します。
それに対して先に大型バイクの運転に慣れておけば中型バイクも何の問題もなく扱うことができるので、教習所を卒業してすぐに大型バイクに乗る人やゆくゆくは大型バイクに乗るつもりという人はむしろ大型バイクに多く乗れるいきなり大型自動二輪免許をオススメします。
2.手間がかからない
2つ目は手間がかからないです。
普通自動二輪免許を取得してから大型自動二輪免許を取得するためには2回教習所に入校する手続きをして、2回免許の更新を行わないといけません。
それに対していきなり大型自動二輪免許を取得する場合はそれぞれの手続きを1回ずつ行うだけで良いので単純に楽ですし、印紙代などの無駄なお金も支払わなくて済みます。
そして現在はバイクの需要が高まっていることから多くの教習所が常に繁忙期並みに混み合っているので、入校するのに数ヶ月待たないといけないというパターンがざらにあります。
普通自動二輪免許を取得するために2ヶ月待って、次は大型自動二輪免許を取得するためにはまた2ヶ月待たないといけないなんてこともあり得るので、大型バイクに少しでも興味があるのであれば、手間のかからないいきなり大型自動二輪免許の取得を選択した方が効率的だと思います。
3.癖がつかない
3つ目は癖がつかないです。
日頃バイクに乗っていると知らずのうちに癖がついてしまうことがよくあります。
例えばアメリカンに乗っている人はニーグリップをする習慣がないので、教習所でも膝を開きやすかったり、スポーツタイプに乗っている人はつま先をステップに乗せたりと教習所では減点対象になってしまう癖がついてしまいがちです。
様々なシチュエーションに対応するためには教習所で教わった以外の技術を身につける必要があるので、全ての癖が間違っているというわけではないですが、教習所を卒業するためには減点されない運転をする必要があるので、大概の癖は直さないといけません。
実際に普段中型バイクに乗っている人が大型自動二輪の教習を受けに来られるとバイクの運転は何の問題もないけど、その癖を直すのに苦労するという人がめちゃくちゃ多いです。
そして特に直すのが難しい癖が法規走行、ルールに従っての走行です。
例えば交差点を右左折する際は徐行といって、ブレーキを操作すればすぐに停止できる速度まで減速する必要があるとされていますが、実際に何かが飛び出してきたりしたときに安全かつ短く停止するためには10km/h以下で走行しないとまず無理ですよね。
なので多くの教習所では徐行=10km/h程度と指導していますが、街中では確実に安全が確保されていれば10km/h以下の速度で曲がる人なんてまずいないと思います。
あとは一時停止の停止線を踏んで停止したり、交差点の停止線を踏んで停止するなど、これは実際に違反行為なので街中でもやるべきではないですが、街中ではやってしまっている人がかなり多いと思います。
しかし徐行違反は教習所では減点対象ですし、停止線を踏んでしまうのはそもそも停止していない扱いで一発アウトになります。
このように1度公道に出てしまうと必ずと言っていいほど教習所ではやってはいけない癖がついてしまうので、ある程度中型バイクに慣れてから大型自動二輪の教習にチャレンジするという人が多いのですが、大型バイクの練習+癖を直すことを考えないといけないので、逆に難易度は高くなってしまいます。
しかしいきなり大型自動二輪免許を取得する場合は癖になる前に指導員が修正してくれるので、バイク自体の練習に集中することができます。
なのでいつかは大型自動二輪免許を取得したいという気持ちがあるのであれば、普通自動二輪免許を中継せずに大型自動二輪の教習を受けた方が楽だと思います。
デメリット
1.教習時間が長い
1つ目は教習時間が長いです。
いきなり大型自動二輪免許を取得する場合は教習時間が31時間あるのがメリットという風に冒頭ではお話しましたが、急ぎで免許を取得したい人や仕事などで中々休みが取れずに期間が空いてしまう人にはデメリットになります。
また大型バイクには一切興味がなくて今後乗る予定もないような人が
とりあえず大型自動二輪免許取っとくかー
みたいな感じで教習を受けると、教習時間が長すぎて途中から来なくなる場合もあります。
なので時間に融通が利かない人や今後一切大型バイクに乗る予定がない人は教習時間が17時間しかない普通自動二輪免許を取得することをオススメします。
2.課題の難易度が高い
2つ目は課題の難易度が高いです。
普通自動二輪や大型自動二輪の教習にはスラロームや一本橋といった規定のタイムをクリアしないといけないような課題があるのですが、それらのタイムは普通自動二輪よりも大型自動二輪の方が難しく設定されています。
なので規定のタイムをクリアできるようになるまでの時間が大型自動二輪の方が当然長くなるので、途中で心が折れかける人がたまにいます。
現に普通自動二輪のタイムはクリアできるけど、大型自動二輪のタイムになると中々クリアできないという人は結構多いです。
しかし普段から中型バイクに乗っている人であれば、大型自動二輪の課題も少し練習すれば最低限はクリアできるようになる人がほとんどなので、楽に課題をクリアしたいのであれば、普通自動二輪の免許を取得してある程度バイクの操作に慣れてから大型自動二輪免許に挑戦した方が良いと思います。
特に精神的に弱い人や失敗は成功のもとと捉えられず、1度失敗したらめちゃくちゃ落ち込んでしまうような人にはいきなり大型自動二輪免許を取得することはオススメできません。
まとめ
簡潔にまとめると大型バイクに乗る気とやる気があるのであれば、いきなり大型自動二輪免許を取得した方が良い、というのが僕の考えです。
二輪免許の取得を検討している方は1つの意見として参考にしてみてください。
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