今回は「バイク事故で死なないための方法」というテーマでお話していきます。
皆さんは年間でどれくらいのライダーが死亡事故を起こしているかご存知ですか?
警視庁の発表によると令和元年の死者数は1年間で510人となっています。
1日に約1~2人のライダーが死亡事故を起こしている計算になることから、バイクの死亡事故はそんなに珍しいものでもないことが分かりますね。
この記事を見ているあなたが明日、通勤通学ツーリング中に死亡事故を起こしている可能性も大いにあります。
ただバイクの事故は例外を除くと未然に防げるものがほとんどで、万が一事故を起こしてしまったとしても対策をしていれば怪我だけで済みます。
なので今回はバイクで死亡事故を起こさないための方法と、万が一事故を起こしてしまっても死なないための対策について解説していきます。
原付、小型、中型、大型に限らず、日頃バイクに乗っている方はぜひ見ていってください。
まずはどのような状況で死亡事故が頻繁に起こっているのか見ていきましょう。
圧倒的に多いとされているのが単独事故と右折時の事故です。
その他にも出会い頭や追突など様々な状況での事故がありますが、単独事故と右折時の事故が群を抜いて多くなっています。
というところから単独事故と右折時の事故にフォーカスを当てて解説していきます。
①単独事故
1つ目は単独事故です。
バイクで単独事故を起こしてしまう主な原因としては速度の出し過ぎです。
速度を出し過ぎるとカーブや交差点を曲がりきれずにガードレールに衝突したり、バイクを傾け過ぎてスリップするリスクが高くなります。
更にブレーキの操作ミスを誘発してしまう原因にもなります。
なのでカーブや交差点を曲がる際は十分すぎるほど速度を落としておく必要があります。
ただこんなことを言うのもアレですが、カーブをスムーズに気持ちよく曲がるのもバイクの楽しみの1つですよね。
とにかく速度を落とせば落とすほど安全ではありますが、それではバイクの醍醐味がなくなるのと最悪の場合後続車に煽られたのち追突される可能性もあります。
では安全かつスムーズにカーブを曲がるためにはどうすれば良いのか、それはスローインファストアウトという走り方をしましょう。
スローインファストアウトとは遅い速度でカーブに進入し、速い速度でカーブを抜けるという走行方法です。
カーブを曲がりきれなくなってしまう主な原因は、カーブに進入する速度が速すぎることにあるので、カーブ進入時の速度は自分が安心して曲がれる速度まで落とすようにしましょう。これがスローインです。
そしてカーブの曲がり終わりにかけてアクセルを回しながらスムーズにカーブを抜ける。これがファストアウトです。
ただスローインファストアウトにも注意点があって、それは曲がり終わりの速度です。
当然曲がり終わりにアクセルを回しすぎると遠心力によって外側に膨らんでいってしまいます。
外側に膨らんでいくとカーブを曲がりきれずにガードレールや対向車線に突っ込んでいくことになってしまうので、アクセルを回す量には注意が必要となります。
無理に曲がり終わりにめちゃくちゃ速度を上げるのではなく、加速の遠心力によって車体をスムーズに起き上がらせながら曲がり終われる速度をイメージして加速するようにしましょう。
とにかくカーブや交差点で単独事故を起こさないためにはスローインを徹底するようにしてください。
②右折時の事故
2つ目は右折時の事故です。
死亡事故の原因として挙げられる二輪車の右折時の事故とは、二輪車が右折しているときの事故ではなく、直進しているときに右折車に轢かれる事故のことを指します。
いわゆる右直事故というものですね。
右直事故を防ぐためには右折車から二輪車がどのように見られているのかを知っておく必要があります。
なぜ二輪車が直進しているときに右折車がぶつかってしまうタイミングで右折を開始してしまうかというと、二輪車は四輪車と比べると遠くにいるように見えるのと速度が遅く見えてしまうからです。
そう見えてしまう原因は二輪車は四輪車と比べて車体が小さいからです。
遠近法によって遅いバイクが遠くから近づいてきているように見えてしまうので、右折車は誤ったタイミングで右折を開始してしまうのです。
なので直進の二輪車が優先ではありますが、交差点を直進する際に右折待ちの車がいる場合は、優先だからと言って速い速度で突っ込んでいくのではなく、先に曲がらせるつもりで交差点に進入するようにしましょう。
また交差点の先が渋滞しているときに交差点付近ですり抜けをするライダーをよく見かけますが、右折車からはすり抜けをしてくる二輪車は対向車の死角によって一切見えていないので、交差点付近では絶対にすり抜けはしないでおきましょう。
右直事故は法的に考えると右折車が悪くなることが多いですが、個人的には速い速度で交差点に進入するライダーにも責任はあると思います。
少し言い方は悪いですが右直事故は防ごうと思えば防げるものが大半なので、右直事故に遭ってしまうような運転をしている人は安全意識が低すぎるだけです。
どっちが優先かいうと観点ではなくどうすれば安全かという観点を持って、しっかり周りを見ながら運転するようにしましょう。
以上が特に多いとされている事故の原因でした。
この2種類の事故に遭わないための運転行動をするだけで、死亡事故を起こしてしまう可能性を圧倒的に下げることが可能になります。
簡単にいうと速度を控えめに走りましょう、これだけです。
ただこれだけのことができずに死亡事故を起こしてしまうライダーが多いのが現状なので、速度を出し過ぎてしまう傾向にある人はぜひこれを機に運転を見直してみましょう。
では次に事故によって死亡してしまう原因となっている損傷部位について解説していきます。
おそらく皆さんが予想できる結果だと思いますが、1番多い致命傷部位は頭部で2番目に多いのは胸部です。
頭部と胸部の損傷による死亡事故が全体の約75%を占めています。
言い方を変えると頭部と胸部さえ守っていれば75%も死亡する確率を減らすことができるので、頭部と胸部の守り方にフォーカスを当ててお話をしていきます。
①頭部の保護
1つ目が頭部の保護です。
これは誰もが分かっていることだと思いますが、頭部を守るためにはフルフェイスを被るようにしましょう。
半ヘル、ジェット、システム、フルフェイスと様々な種類のヘルメットが存在しますが、1番安全なのは当然フルフェイスタイプのヘルメットです。
半ヘルは安全面的には論外なので省きますが、ジェットやシステムでも頭は守れるんじゃないかと思っている方が多いと思います。
比較的軽めの事故であればそれらのヘルメットでも問題はないですが、死亡事故を起こしたライダーの約40%が事故時にヘルメットが脱げていたという統計があります。
ジェットやシステムはフルフェイスと比べると被るのがラクな分、頭部や顔との密着感があまりないので強い衝撃が加わると脱げてしまう可能性が高いです。
一方フルフェイスであれば真上に衝撃が加わらない限りは脱げることはまずないので、頭部を直接地面や車に打ちつけてしまうことがなくなります。
なので安全性を考えるとジェットやシステムよりもフルフェイスタイプのヘルメットを被ることを強くオススメします。
ただ気をつけてほしいのがフルフェイスを被っていても、アゴ紐が緩いと脱げてしまう可能性が高くなります。
街中を走っているライダーを見ていてもせっかくフルフェイスを被っているのに、アゴ紐がダルダルの状態で走っている人が珍しくないです。
アゴ紐を前に引っ張った時にアゴから外れてしまう場合は緩すぎるので、前にズラしてもアゴに引っかかるくらいキツめに締めるようにしましょう。
②胸部の保護
2つ目は胸部の保護です。
日頃バイクに乗っていて、胸部プロテクターを着用している方はおそらく少数だと思います。
実は頭部よりも胸部の損傷によって亡くなっている人の方が多い年もあります。
ヘルメットは皆さん当たり前のように着用していると思いますが、死亡率を考えると胸部プロテクターもバイクに乗る標準装備として着用しておく必要があります。
胸部プロテクターの種類としてはライダージャケットに元から備わっているものと、ベストタイプの単体のものがあります。
ライダージャケットに元から備わっているものはあまり頑丈じゃないことが多いので、ベストタイプの胸部プロテクターをジャケットの中に着用するのが1番安全だと言えます。
ちなみにバイクのプロテクター類を購入する際はCE規格やJMCAと書いてあるステッカーが貼られているものを選ぶことをオススメします。
それらの規格に通っているプロテクターはバイク関連企業で結成された団体が推奨しているものになるので、無名なプロテクターを着用するよりは安全性が高いと言えます。
あまり胸部プロテクターを着用するという選択肢を持っている方がいないと思うので、ぜひこれを機に胸部プロテクターも日常的に着用するようにしましょう。
僕が日頃着用しているプロテクターのリンクを貼っておくので、興味があればぜひ見てみてください。
コミネ製(ベストタイプ) https://amzn.to/3eyxOhY
タイチ製(セパレートタイプ) https://amzn.to/32e667M
まとめ
以上がバイク事故で死なないための方法でした。
冒頭でもお話したようにバイクの死亡事故は珍しいものではありません。
1日に1~2人のライダーが亡くなっていることを考えると、誰がいつ死亡事故を起こしてもおかしくはないです。
当然僕も例外ではなく明日通勤中に死亡事故を起こす可能性もゼロとは言い切れません。
ただ死亡事故を起こす確率は知識をつけて対策をすることで大幅に下げることはできるので、日頃バイクに乗っている方はぜひ運転行動や装備を見直して周りの人たちを悲しませないようにバイクを安全に楽しんでいきましょう。
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