今回は「2人乗りのコツと注意点」というテーマでお話していきます。
バイクの2人乗りというのは便利で楽しいものですが、非常に危険な行為でもあります。
2人乗りの危険性やリスクを運転者だけではなく搭乗者も知った上で行わないと、思わぬ事故や被害に遭うこともあります。
なので今回は2人乗りのコツと注意点について詳しく解説していくので、これから2人乗りをしてみたいと思っている方や日頃2人乗りをしているという方はぜひ見ていってください。
①乗り降りするとき
まずは【乗り降りするとき】のコツと注意点についてお話していきます。
1.両足で支える
1つ目は両足で支えるです。
1人でバイクに乗っているときはステップに片足を上げて停止している人が多いと思います。
なので搭乗者が乗り降りするときもいつものクセで片足をステップに上げたままにしてしまう方がいるのですが、片足で搭乗者の体重とバイクの車重を支えるのは無謀です。
なので搭乗者が乗り降りする際は確実に両足を地面について踏ん張った状態を保つようにしましょう。
そして搭乗者は運転者に「左から乗るよ!」「右から降りるよ!」といった風に乗り降りするタイミングと方向を知らせることで、より立ちゴケをしてしまうリスクを減らすことが可能になります。
2.前輪ブレーキをかける
2つ目は前輪ブレーキをかけるです。
搭乗者が乗り降りする際にバイクが前後に動いてしまうと、搭乗者がバランスを崩して飛び降りる形になってしまうので非常に危険です。
さらにバイクが前後に動いてしまうと、せっかく両足をついていても踏ん張りが十分にきかなくなるので、バイクを倒してしまう可能性もあります。
なので搭乗者が乗り降りする際は必ず前輪ブレーキをかけてバイクが前後に動かないようにキープしましょう。
3.バイクを傾けない
3つ目はバイクを傾けないです。
搭乗者が乗り降りしやすいようにバイクを傾けてあげるのは良い気遣いですが、バイクを傾けると傾けた方向に搭乗者の体重とバイクの車重が一気にかかるので、支えられなくなる可能性があります。
なので搭乗者はできるだけバイクを傾けられなくても乗り降りできるような技術を身につける必要があります。
どうしてもバイクを傾けないと乗り降りできないという場合はサイドスタンドを立ててバイクを傾けるようにしましょう。
そうすることで万が一支えられなくなっても立ちゴケすることはなくなります。
ただしサイドスタンドを立てているからといって、運転者の体重もサイドスタンドに乗せてしまうと2人分の体重がかかることになるのでサイドスタンドに大きな負担がかかってしまいます。
なのでサイドスタンドを立てている場合もしっかりと運転者は足を踏ん張るようにしましょう。
②走行しているとき
次は【走行しているとき】のコツと注意点についてお話していきます。
1.ニーグリップ
1つ目はニーグリップです。
バイクに乗る上ではニーグリップが重要という話を1度はどこかで聞いたことがあると思いますが、2人乗りをする場合も同じでニーグリップは重要になります。
なぜなら発進停止加減速をどれだけ慎重に行っていても運転者は搭乗者に押されたり引っ張られる形になるので、ニーグリップが甘いと体の動きが大きくなり運転操作に支障をきたすからです。
さらに押されたり引っ張られるのを腕の力だけで耐えようとすると、すぐに腕が疲れてしまいます。
なので1人で乗っているときよりもしっかりと下半身でバイクをホールドして体を支えることが大切になります。
そしてニーグリップをしないといけないのは運転者だけではなく搭乗者も同じです。
搭乗者の体が大きく動いてしまうと運転者への負担も大きくなるので、搭乗者は発進停止加減速で極力体が振られないように、運転者の腰辺りを膝でグッと挟むようにしましょう。
おそらくバイクを自分で運転したことがある搭乗者であれば言われなくても勝手にニーグリップをすると思いますが、バイクを運転したことがない人はそもそもニーグリップという概念を知らないので、運転者は2人乗りをする前にしっかりと搭乗者に教えるようにしましょう。
2.手の位置
2つ目は手の位置です。
よくドラマなどで搭乗者が運転者の腰に手を回して抱きついているような描写がありますよね。
男性なら1度は憧れたことがあると思いますが、残念ながらやるべきではないです。
なぜなら減速をした際に搭乗者の全体重が運転者にかかってしまうので、運転者への負担がかなり大きくなるからです。
最悪の場合、運転者の下半身がタンクと搭乗者によってサンドイッチにされて新手の拷問器具みたいになってしまいます。(体験談)
では搭乗者はどこを持てば良いのかというと、腰もしくはタンデムバーです。
1番理想的なのは片方の手で運転者の腰を掴んで、もう片方の手はタンデムバーを握るという方法です。
そうすれば発進加速の際に発生する後ろに引っ張られる力と停止減速の際に発生する前のめりになる力を運転者の体に極力頼らずに耐えることが可能になります。
ちなみにシートについているタンデムベルトはベルト自体の強度はあるのですがシートとベルトを結合している部分の強度はあまりないように思うので、両手でタンデムベルトを持つのはあまりオススメしません。
3.荷物になる
3つ目は荷物になるです。
バイクに乗ったことがない人を後ろに乗せると傾くという行為が怖くて傾いている方向とは逆に体を起こしてしまったり、ポジションを直すために急に動き出したりします。
そうなるとカーブを曲がりきれなくなったり、いきなり左右どちらかに体重がかかって直線上でもふらついたりと事故の原因にもなってしまいます。
なので搭乗者は自分の意思では一切動かない荷物、という意識を持っておきましょう。
ただ荷物と言ってもそこまでガチガチになる必要はないので、自然と運転者やバイクの動きに搭乗者の体がついていくイメージで十分です。
万が一座っている体勢がしんどくなったり大きく体を動かしたいようなときは停止中に運転者が両足をついているタイミングで動くようにしましょう。
4.意思疎通
冒頭の乗り降りするときでも少し触れましたが、2人乗りは運転者と搭乗者の意思疎通が大切になります。
お互いに次の動きが完全に予測できるわけではないので、何か大きなアクションを起こす際はしっかりと相手に知らせるようにしましょう。
特に発進停止の際は搭乗者の体の動きが大きくなってしまわないように、発進停止を搭乗者に知らせる必要があります。
ただ知らせるといっても毎回「今から発進するよ!停止するよ!」なんて言ってられないので、バイクの挙動で知らせるのが良いと思います。
例えば発進する際はいつもよりも早めにアクセルだけを回し出しておいたり、停止する際はポンピングブレーキをすることで搭乗者は大まかなタイミングを把握することが可能になります。
そして搭乗者もボーッとするのではなく、信号の動きや周りの車の動きを見て「そろそろ発進停止しそうだな」というのを自ら察知するようにしましょう。
運転者も搭乗者も不意に動作を行われると非常に危険なので、2人乗りをする前に何かしらのサインを決めておくようにしてください。
5.搭乗者の装備
5つ目は搭乗者の装備です。
街中で2人乗りをしている人たちを見ていると運転者はしっかりとした装備で搭乗者はジェットや半キャップ、肌が露出した服装というパターンが非常に多いですが、はっきり言って論外です。
2人乗りで事故を起こすと運転者よりも搭乗者の方が怪我率、死亡率が高いとされているのと、搭乗者が死傷した場合の責任は運転者にあります。
そもそも怪我率、死亡率が高い高くないに関係なく、2人乗りは人の命を預かる行為といっても過言ではないので、搭乗者にしっかりとした装備をさせられないのであれば2人乗りはやらない方が良いです。
特に女性はフルフェイスを被ると化粧が崩れるので嫌がる人が多いのですが、ジェットや半キャップで事故を起こすと高確率で顔を怪我します。
バイクの事故で負った怪我は一生傷になることが多いので、化粧が落ちるよりも悲惨なことになってしまいます。
という風に説得してもしっかりとした装備をつけてくれないのであれば大人しく四輪車や電車に乗りましょう。
そしてジェットや半キャップ、露出した服装で後ろに乗ることを許可するような運転者は2人乗りのリスクや搭乗者のことを何も考えていない可能性が非常に高いので、そのような人の後ろには乗らない方が賢明です。
少し説教ぽい言い方になりましたが、2人乗りをする場合は人の命を預かっているということを理解して搭乗者にはしっかりとした装備を身につけさせるようにしましょう。
まとめ
以上が2人乗りのコツと注意点でした。
2人乗りは運転者よりも搭乗者が心得ておく必要があることの方が多いので、2人乗りをするのであればこういったコツや注意点をしっかりと運転者が伝えるようにしましょう。
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